2010.1.25

 エロ小説を読んでいて、やっぱりエロ小説の華はハーレムだな、としみじみと思うのだが、この大好物のハーレム状態、考えてみれば呼び方はどこまでいってもハーレムである。
 「いろの辞典」で調べてみても、「ハレム」の類義語として「後宮、閨房、ハーレム」と記されるのみだ。ちなみにここでの「ハレム」の説明は「イスラム教社会で、妻や妾などを隔離して特定の男性以外の出入りを禁じた婦人専用の部屋」としかなく、「複数人の女の子がみんなで仲良く俺のちんこを奪い合う状態」という説明はない。
 エロ小説っていうのは日本語のグランドラインで、いちばん芳醇に言葉を駆使しなければいけない最強のジャンルなのだから、言葉は多ければ多いほどいい。その状態を示す言葉が画一的に「ハーレム」であるのは健全じゃないと思う。そこで新しい表現を考える。
 「プッペロ」というのはどうだろう。
 この語源はギリシャ神話までさかのぼり、「複数人の女の子がみんなで仲良く俺のちんこを奪い合う状態」が大好きなギリシャの町民、プーロペ・パ・ピロウに由来する。彼は気分がいいときなどに、大好きな自分の名前をもじったフレーズ、「プッペロパロピン!」を部屋の角に向かってよく連呼したと言われる。その際、彼の前にある壁のシミが女の子のように見え、まるでピロウの夢がかなっているように見えたことから、「複数人の女の子がみんなで仲良く俺のちんこを奪い合う状態」のことを「プッペロ」と呼ぶようになった(ピロウの夢は生涯実現しなかった)。現代日本ではその状態になることを「プッペロる」とも言い、「進学したらその高校が去年まで女子校でさ、男子生徒は俺だけだったんだよ。マジプッペロったわ(笑)」のように用いられる。昼下がりのお茶会で女の子たちが、いたずらっぽく「お義兄ちゃんのこと今度プッペロっちゃおうよ」などと共謀する際の、「プッペ」のあたりの語感が甘美である(そもそも「プロペパピロウ」というペンネームが、「舌っ足らずな女の子がパ行を一生懸命言うかわいさ」を狙ったものである)。
 なかなかいい気がする。割とありな感じだ。気分がよくて思わず「プッペロパロピン!」と叫びたい気分なので、ついでにもうひとつ、フェラチオについても考えようと思う。こちらは「いろの辞典」に「口淫」「口戯」「吸茎」「ちんなめ」「尺八」とそこそこの数の類義語が載っているが、多くて悪いこともないのでひとつ新しく提唱したい。僕のエロ小説への恩返しだ。
 当然そこは「パロピン」である。
 そしてこれがなんか、意外なほどしっくり来る。ちんこを舐めたり咥えたりする行為のことを「パロピン」と呼ぶのは、不思議なほどに違和感がないと思う。なるほど「パロ」を「ピン」する感じでもあるし、あるいは「パ」を「ロピン」する感じでもある。どちらにせよ行為と語感の親和性が高い。
 この文章はハーレムの新しい呼び方を考えるのが主目的で、フェラチオのほうは完全に後付けだが、ひょっとするとこちらのほうが世間に浸透する可能性は高いかもしれない。そうなったら素敵だな。渋谷とかのパロピン大好き女子高生たちが、
「そう言えばパロピンのモデルになったパピロウって実在の人らしいよ」
「本当に? じゃあこれからパピロウのパをみんなでロピンしに行っちゃう?」
「えっ、プッペロるってこと?」
「いいね、それ!」
「じゃあエミとマユカも呼ばなきゃ!」
「よし決まり! プッペロパロピン!」
 なんて会話をするかもしれない。いいなあ。夢が広がるなあ。