ファルマンが地域の防犯メールサービスみたいのに登録していて、住んでいる町で事件的なものが発生すると、警察からメールが送られてくるのである。それでつい先日、労働中にファルマンからメールが届いて、開いて見たところそれは、警察から送られてきたメールの転送だった。
そのメールでは、僕たちの住んでいる家の割とすぐ近くの道路において、男が女児にちょっぴり手の込んだレトリックを使ってイタズラをしたことが伝えられていた。
そしてその男は20代で、メガネを掛けていたという。
あっ、と思った。
これで転送してきたメールの末尾に『あんたがやったんじゃないの~。早く自首せよ(笑)』みたいな軽口が付されていればまだよかったのだけど、そんなものもまるでなく、普通に警察から来たメールそのままで、妻はそのメールを夫に送ってきたのだった。なのでなんか、鬼気迫るものがあった。もしかして俺、妻に本気でちょっと疑われている!
でもその事件が起こった時間、僕は労働中だったのでアリバイがあった。日常生活でアリバイという言葉が出てきたことがびっくりだが、なので僕は犯人ではありえない。そもそも二次性徴前の女児には興味がない。しかしメールには「警察では現在付近のパトロールを強化している」ともあって、職務質問とかされたらショックだな、と思った。
思っていた矢先、駅までの道の途中で、20代でメガネを掛けている男が、なにやら警察官に話を訊かれているところを目撃してしまった。その人は怪しいところがなかったのかすぐに解放されていたけど、これにはおののいた。
たとえば僕が職務質問されて、鞄の中身をチェックされたら、ナイフとかは入ってないけど、本が3冊入っていて、それはエロ小説と、精子の本と、少女マンガなのだ。あ、あと妻の短歌を印刷した紙も。これは気をつけなければいけないな、と思った。