見送ってから出発まで5時間ほど時間があるのだが、そのほとんどを寝て過ごしてしまった。起きたときの爽快感と言ったらなかった。我ながら呆れるのだけど、やっぱり土曜日の結婚式から体に重たい疲れが残っていた。それが今日の10時間睡眠によって、ようやく取り払われた感じがした。本当にようやく。
知り合いに会うのは本当に疲れる。
先週実家に帰ったとき、母からまた義兄のお店の話を聞いたのだが、店には相変わらず僕の中学時代の同級生がやってきていて、そして店主が僕の義兄だと判明したら、初めて来店した者は「えーっ」って仰天する、というのが恒例の流れになっているらしい。その中には僕の所属していたバスケ部の人々もいて、義兄との会話によって僕の存在を思い出した彼らは、「そう言えばあいつってOB会に顔を出さないね」って言うのだそうだ。そしてそれを聞いて僕は、OB会? ってきょとんとなった。だって聞いたことがなかった。バスケ部のOB会? そんなのがあんの? そもそもみんながけっこう地元在住のままつるんでいることにもびっくりだったのに、割と頻繁に開かれるというOB会にはさらにびっくりだ。そして横浜の20代半ばの同級生が割と頻繁に開かれるOB会ですることと言ったら、あなたそれはもう、地元特有のドロドロとした狭い人間関係の中での愛憎みたいな、そういうものに決まっているじゃありませんか。そういうものに触れたことが一切ないから実体験ではないけれど、でもそれ以外の想像が働かないから絶対そうだと思うのです。そしてその参加者たちはもう全体の1割しかセックスしていない当時のままの中学3年生じゃないんですよ。吉原先輩と付き合ってなかった9割の女の子たちもみんな、中学生の頃はぜんぜん相手にしていなかった山田の実直な優しさとかに心を溶かされ、(きっと大体は)もう処女じゃないわけですよ。そんな輩の夜な夜なの、街にカーステレオのウーファー音を響き渡らせるOB会ですよ(横浜の若者はほぼ全員がちょっとヤンキーっぽいようなイメージがある)。ああやらしい。ああ汚らわしい。絶対に出ないよそんなの。誘われてないけど。連絡先を誰にも教えていないから、「同級生→義兄→姉→母→俺」という伝言ゲームでしか来ないけど、誘われても絶対に行かない。行ったらまた4日間精神が乱れて、4日後に10時間寝ないと解消されないから断じて行かない。ぜんぜん誘われてないけど、それ以上のぜんぜん度合でぜんぜん行かないよ。
ファルマンとふたりで、おいしいごはんを食べて暮してゆきたい。
ただし11月に出雲の上の妹がこちらに遊びに来るかも、という不確定情報が最近になって飛び込んできて、それには大きく心が躍っている。製本日記を読んで、僕は本当に義妹のことを愛しく思って暮しているな、と思った。それはもう「のび太の結婚前夜」のしずかちゃんのパパレベルに。義妹らがいつか、それこそ結婚前夜とかにこの日記を読んで、「でも私、お兄さんになんのお礼もできてない」と、直前で結婚をためらうようなことがあったら、僕は優しくこう言ってあげようと思う。
「君の成長してきた日々、それこそが僕にとっては宝物のような日々だったんだよ」
愛しく見守ってきた日々が宝物。
改めて書いてみて、これはなかなかに芝生男子的な考え方だな、と思った。しずかちゃんのパパも芝生男子だったのか。穏やかに勃起していたのか。発見だな。