相変わらず準備に追われている。昨日仕上がらなかったウェルカムボードを、ついに完成させた。描きも描いたり2644匹の猫たち。最後のほう、「あとスペースこれだけだからせいぜい100匹くらいで、100匹なんてないも同然だな」と見積もっている自分がいて、ファルマンに「猫100匹て」と言われ、そう言えばなんで猫100匹描くことを俺はないも同然の労力のように捉えてるんだろう普通の人は一生に猫100匹も描かないだろうに気持ち悪い、と思った。
この猫たちみんなポーズが違うんですよ、と言いたいところだが、別にそんなことない。「顔は必ず全景描く」というルールがあって、そのため目や口をこすったり、ほかの猫の腕が顔に被っている猫は1匹もいない。これをやると本当に隙間なく描けてしまう(顔の全景を描かなくてもいいということは、丸ごと描かなくてもいいわけで、ちょっとしたスペースを腕とか脚とか埋めてもいいことになる)と思ったのではじめからそう決めていた。そのためどうしても空白になってしまう部分もできたが、ごちゃごちゃするよりはよかったんじゃないかと思う。それに上記の2644匹というカウントもしやすいし。もっともその数字がいま考えた真っ赤な嘘でなければもっとよかったのだろうが、残念なことに真っ赤な嘘だ。数えたくもないが、数えやすいは数えやすいだろうと思う。
とにかく右手が疲れた。猫を色で塗る作業も割と神経を使う。サインペンで猫を描くのとは、別の筋肉を使うのだろうと思う。ファルマンは延々と絵本の色塗り。僕がウェルカムボードにこんなに時間を掛けなければそっちの色塗りはやってあげられたのに、申し訳ないと思う。猫の大群が出てきて気持ち悪かった夢を見た晩もあったと言うし、そういう意味でも申し訳なかったと思う。