2009.1.2

 夕方から結婚式の打ち合わせを兼ねて出雲大社のほうへ。出雲大社は人だらけだった。おみくじを引いたのだが、あまり内容は覚えていない。下の妹の文面に「子どもができちゃうかもしれない」みたいなことが書いてあったような気がしたが、勘違いだったか。
 そのあとは大社の近くの旅館まで歩き、ここで披露宴代わりの食事会みたいなことをするので、そこの支配人の方から、父親と母親を含めた4人で話を聞く(妹たちは少し離れた場所で暇そうにしていた)。そしてこの人の話がしつこかった。丁寧なのは解るのだが、異様に過去のエピソードを披露してくるのが耐えられず、途中で「その話はもういいです」と、かなり苛々してる風を隠さず話を断ってみるのだが、それでも気にせず自分の中で決まっている文面を読み上げる感じが、非常に参った。
 参ったと言えば、食事会の司会は結局僕自身がやることになりそうで、これもだいぶ参ったことだと思う。式では、神に向かって夫が「我々夫婦は仲良く健やかに……」みたいな宣言をしなければならないと言うし、どうも僕ばかり当日の負担が大きい気がする。これはやはりファルマンに落語をやってもらわないことにはバランスが取れないと思った。
 打ち合わせのあとは、予約を入れてくれていたという寿司屋に移動。まあまあ美味しかったのだが、主人と常連客の雰囲気がよくなく、勇気を振り絞って出した注文は、ふたつのうちひとつが無視され、すっかり心が折れた。「なにか光り物のお刺身はできますか?」という質問が、こちらでは気取った物言いと取られるらしい。この山陰の閉鎖性! だから田舎者は嫌なんだ!
 しょうがないので帰りに寄ってもらったコンビニで、憂さ晴らしとして大量にスナック菓子やらアイスやらを買い込む。そうして家に帰ってからガーガーとビールを飲んだ。プレミアムモルツを珍重する義父が、今夜はリッツの上にオイルサーディンやらカマンベールチーズを乗せたものなんかをおつまみとして用意するので、僕はそれをコンビニで買った発泡酒を飲みながら、パクパクと喰ってやった。「ビールとしてはこちらのほうが正解なんですよ! ホップの芳醇な香りなんか美味しくないんですよ!」とか言いながら。
 心が折れたのは明日はもう帰宅だからだ。そのせいでお酒を進めてしまっては、夜が短くなって、さらに明日が近付いてしまうというのに、なかなか酒を止めることができない。要するに僕はむちゃくちゃに寂しかったのだと思う。