2008.10.17

 街を歩いていたら、「なんやら高校水泳部」と背中に刺繍されたジャージを着た、5人くらいの少女の一群と擦れ違い、その瞬間に勃起をした自分がいて少し驚いた。
 どうやら自分はプール的な要素を持った少女がだいぶ好きらしいぞ、というのは既に解っていたことなのだけど、それは例えば実際に小さな表面積の布しか身に纏っていないことであるとか、あるいはもうちょっと間接的に、泳ぎ終わったあと濡れたままで、油断した髪型のまま次の授業を受ける感じであるとか、そういうポイントによるものだと思っていた。
 しかし今日の少女たちは、そのどちらの要素も持っていなかった。彼女らが所属する水泳部の女子更衣室には、おそらく何代も前の先輩が寄贈してくれたドライヤーがふたつほどあって、彼女らは交代でそれを掛け合い(あるいは後輩が先輩の髪を乾かすのがしきたりかもしれない)、しっかりと髪を乾かした後に街へ繰り出すのに違いなかった。
 つまり背中の刺繍以外は、見た目的には彼女らから水泳部的な要素を汲み取ることはできない。それなのに僕は機敏な反応で勃起した。なぜか。
 答えは嗅覚にある。そう、塩素だ。彼女らの肉体から発せられる清冽な塩素臭に、僕は反応したのである。そう言えば風呂掃除をしたときなど、やけに郷愁に駆られ、こうしちゃいられない気持ちになったが、それはこういうわけだったのだ。塩素と勃起は僕のなかでイコールなのだな。
 というわけで、「塩素」は高校1年生の学年題です。