食後「歳時記」をやろうとして、しかし相変わらず高3の学年題が不足していたためファルマンに助けを求めたところ、「便秘は?」と言われる。却下である。便秘はちょっといただけない。それならまだ下痢のほうがいい。次に「じゃあコーラックは?」と言われる。これもいまいちだ。とにかく便秘から離れてほしい。「それじゃバファリン」。薬つながりで来たか。うーむ……それもなあ、と思う。「ならばいっそのこと「生理痛」と素直に言ってしまうのはどうか」、とこれは僕の言葉だ。しかしその直後、「あ、でも「生理痛」は中3だよなあ……」と悩む。「知らねえよ」とファルマン。だが続いて、「でもまあ生理がきちんと痛みとして毎月決まって来るようになるのはけっこう成長してからだから、高3でいいんじゃない?」とアドバイスをくれる。なるほど。ためになるなあ。これでこそ一緒に暮らしている甲斐があるというものだ。「そうだ、どうせだから「生理痛」じゃなくて「ST」にしたらいいかもしれない」、と気付いたのは当然ながら僕だ。その様子を無表情で眺めるファルマン。そして僕はふと思い至る。「……あれっ、でも高校3年生って生理痛のことSTって言わなくない?」それに対しファルマン、「誰も言わねえよ」。
そんな苦労の会話の末にできあがったのが「高校3年生 その4」で、結局「生理痛」も「ST」も今回の3本からは見送ったのだった。それにしたって今回のこれは歳時記じゃまるでなくて、なんて言うんだろう、なんて言えばいいのかまったく分からないけど、とりあえずこれを書いているとき、僕はとても愉しかったです。かしこぬ。