去年の9月22日に生まれた赤ん坊のいる友達の家へ、ファルマンにくっついて行った。
赤ん坊は小さくてかわいかった。身内でもなんでもないので決して贔屓目ではなく、彼女はかわいい部類の赤ん坊であるに違いないと思った。両親の社交性の高さから来客が多いせいか、他人に対してぜんぜん怖がらず、あまつさえ愛想を振り撒きさえする。これはすごいな、と思った。きっと溌剌とした明るい子に育つのだろうと思う。
赤ん坊が寝てからは、夫とスーパーマリオ3なんかをして遊んだ。すごく懐かしかった。昔は足でも操作できるくらいに軽やかにやっていたが、今やってみたら扱えなさにびっくりした。あーこうやって正月に甥に笑われる酔っぱらいの叔父さんに僕はなってゆくのだな、と思った。
それとどういう流れだったか忘れたが、彼と「クラブって行ったことあるか」という話になり、ふたりとも行ったことがなく、かつその存在が気になっていて、「20代のうちに一度でいいから、リズムに乗って我を忘れ踊るような、そういう状態を体験してみたいものだ」ということを言い合った。そこで僕にはもちろんいないので、彼に「君の友達の中にクラブとかに行ってしまう人はいないのか」と訊ねたら「そう言えばいる」となって、「じゃあその人とかと君が一緒にクラブに行くということになったときは、君から妻、妻からファルマン、ファルマンから俺へと教えておくれよ」と頼み、「よし分かった」となって、そしていつか実際にそのメールが来たら、僕はまず間違いなくそこには顔を出さず、彼だけが仲間とクラブヴァージンを喪失して、20代のうちに体験しておくべきそれを体験した充実感で、肌をつやつやさせるのだろうなと思った。
夕食に僕の作ってきた太巻き寿司なんかを食べ、8時ぐらいに帰った。
帰りの道、風が冷たくてすごく寒かった。でも楽しい1日だった。