2009.4.3

 ファルマンが誕生日だった。26歳。
 エイプリルフールに僕が「うわのそら」を書くとなった時(実現しなかったけど)、それっぽさを出すために「うわのそら」をちょっと読み返してみたのである。するとまあ出るわ出るわで、覚悟はしていたけどやっぱりすさまじい文章量で、正直ひく感じはもちろんあったのだけど、それでも気持ちをしっかり持って読んでみると、これが割とおもしろかったのだった。もちろん横で生活を見ていた妻の日記で、ときどき当時の自分も登場したりするから、そういう意味でのおもしろさというのも大いにあると言うか、僕の立場からではどうしたって「うわのそら」のことをひとつのウェブ日記としてフラットに眺めることは不可能なのだけど、それを差し引いてもこの日記はけっこうおもしろいんじゃないかと思った。なんたってもう5年以上やっているのである。その間に引越しをして、大学を卒業して、就職をして、同棲をして、家族にいろいろあって、結婚をして……と割といろいろな出来事が起こっている。そして、そういった節目では割と冷静なのに、普段の平穏な生活では異様なまでに情緒不安定な、ファルマンの気持ち悪くめんどくさい性分がすごく出ている。この日常の不安定さというのは、ずっと読んでいるとさすがに食傷気味になると言うか、どうやったら変わらない日常をそんなに感情豊かにめんどくさく過ごせるのか、逆に俺なんかよりもファルマンはよっぽど世間のことを斜に見ているんじゃないかと、まあこれに関しても僕は横で毎日リアルに被害を受けているからフラットな見方ではないのだけど、とにもかくにもそんなファルマンも今日26歳なのだった。あの蕎麦屋でバイトしていた小娘がですよ。