2008.11.10

 自転車を買おうと思っている。ちょっといい自転車だ。
 通勤で毎日駅まで片道20分弱ぐらい漕いでいる、という事情もあるが、それ以上に大きな目的として、「アクセスの悪い中央線までの道のりをいっそ自転車で行ってしまう」というのがある。西荻窪の店に商品を納め、吉祥寺のユザワヤで材料を買い出す。これらを自転車で回れたら相当いい。いま持っている自転車だとちょっと考えられないけど、今時な感じの割とちゃんとした自転車ならば、それはけっこう可能な距離なのである。ルート検索したら10kmもなかった。
 というわけで近ごろ微妙に探していたのだけど、この前ちょっといいなと思えるものがあって、これに決めてしまおうというところまでいったのだけど、いざ手続きというところで、「そう言えばカゴが付いてないので付けてほしいんですけど」と頼んだら、「カゴは付きませんよ」と言われ、「えー」となり、「じゃあいいです」と断った。こちとら、前カゴはもちろん、いっそのこと後部にもカゴを付けてもらおうかと考えていたのである。ユザワヤで大量に布を買ったり、ブックオフで大量買いしたりすることを考えれば、それは本気で便利だろうと思っていた。しかしファルマンに「さすがに後ろのカゴはやめておけ」と言われ、泣く泣く前のカゴだけで我慢しようとしていたのである。
 それなのに前にもカゴが付けられないという。どうもそういう種類の自転車には荷物を運搬するイメージはないらしく、どこまでも本人の移動用ということらしい。雑誌とかで見てみたら、たしかにカゴが付いている自転車は1台もないのである。利用者はみんな、身体に密着する感じの空気抵抗がなさそうな三角形的なナップザックに、最低限の持ち物だけを持っている感じだった。
 そうなのか……と愕然とする。なんだか非常に間の抜けた話だと思う。中央線には行ける、荷物は運べない、ではまるで意味がない。まあ荷物が運べないとは言っても、僕の体重が50キロだから、70キロの人が運転していると考えれば、背負えないぐらいの重量の荷物を背負うことも可能なはずである。そういう発想をするほかない。しかしぜんぶ背負うのか。きついな。