2008.11.8

 昼過ぎになって外出。
 区による、この期間中に婚姻届を出した夫婦に記念の苗木(あるいは鉢植え)をプレゼントするという企画の、それの受け渡しが今日で、ちょうど休みだったこともあり、「じゃあ鉢植えをもらおうじゃないか」と、ひどく重い腰を上げたわけである。
 雨は思っていたほど降らず、妙子の好きそうな曇天の1日だった。
 行く途中で、区内のこれまで行ったことのない図書館に立ち寄り、本を借りる。初めて行く図書館は新鮮でいい。思わず10冊めいっぱい借りてしまう。これが重いの重くないのって。重いよ。トートバッグの紐を肩に食い込ませながら、(これプラス鉢植えかー)と途方に暮れる。暮れなずみながら受け渡し場所に向かう。
 でも実際にその場所に行ってグッドニュースが。指定された会場で受け付けの人に引き換え用のハガキを提示したところ、「これは明日ですよ。ホラ。なので明日また来てください」と言われ、見てみたらハガキには思いっきり「11月9日」と書いてあって、僕はファルマンの「今日は苗木の受け渡しだからね」という言葉でしか情報を入れていなかったので、ファルマンのそのどうしようもないうっかりミスのせいで、外出の主目的がすっかり雲散霧消してしまったのだった。でもこれは奥さんが阿呆なのに、その口から出た情報を疑うことなく信じた僕のミスだ。
 今回の鉢植えをファルマンは、結婚の証としてやけにもらいたがっていて、別にもらいたくもなかった僕は、(でもこいつはもらうだけもらってろくに管理せず枯らしてしまうのだろうな、そしてその様を見て僕は、僕ら夫婦のこれからを暗示しているようだと思うのだろうな)と思いながらここまで来たのだが、現実は僕の予想のはるか上をいっていて、ファルマンが日付を読み間違ったせいで鉢植えをもらえさえしない(明日も休みだが、決して近い場所でもないので明日はもう行きたくないのだ)、というそのオチは、僕ら夫婦の今後の暗示としては、なるほどむしろこちらのほうがより相応しそうだな、と納得するものだっだ。