2008.9.21

 いちど家に帰って、今度はファルマンとともにお出掛け。目的地は実家。5日前に生まれた姪が、今日でちょうど退院するということで、おうちで初対面と相成ったのだった。
 家に着くと、リビングのソファーに姉夫婦が腰掛け、義兄が赤ん坊を抱いていた。生後5日である。小さい。見る前から「抱くのは怖いからやめておこう」と思っていたが、実物を見てその思いを強くする。でも「大丈夫だから抱いてみな」と言われ抱く展開に。緊張した。
 姪は、僕は生まれたばかりの赤ん坊の顔はみんな同じに見えるので、「鼻はお父さん似だ」とか「眉毛はお母さん似だね」とか、そういうことを言う人は押し並べて嘘をついているのだと思って生きているのだが、ファルマンも含む女性陣によれば「お父さん似だ」ということになるのらしい。そのあって無きがごとしの眉毛がか。分かんねえよ。
 リビングには割と巨大なベビーベッドが設置され(今後少なくともひと月くらいは実家で暮らすらしい)、そこへ姪は寝かされ、母を含む5人で鮨の昼食。これから夕方開店の店に向かう義兄の横で、僕だけビールをいただく。しあわせ。
 姪はやけにおとなしかった。大人が喋り、犬が鳴き、至近距離で携帯電話のシャッター音が鳴る中で、黙々と眠っていた。ついに滞在2時間弱でいちども泣かなかった。なので視覚的にはほとんど写真で得られる効果と変わらない。抱いた感触だけがリアルだった。