2008.1.3

Q50、思春期というのはいつごろのことをいうのですか。

A、子どもから大人への過渡期のことを一般的に思春期と呼び、これは曖昧ながらも13歳ぐらいからせいぜいが16歳ぐらいまでということになっています。それから先は青春時代と呼ばれ、17歳以降の人に思春期という表現はあまり使いません。しかし「思春期」がなんとなく心理学とか教育学で認められている言葉っぽいのに対し、「青春時代」は割と文学的表現の香りをまとっていて、なんかここらへんの線引きが気持ち悪いなあというのは先生も常々感じていました。
 そもそも一方は「期」でもう一方が「時代」というのがよくありません。どちらも期間のことを言っているわけですが、この呼び名が統一されていないことが、二者を簡単には同一線上に扱えない原因としています。
 そこで揃えるとなった場合、やはり権威への追従ということで「期」に合わせるべきでしょう。
 「青春時代」を「期」に変える。「青春期」。これは果たしてどうでしょうか。ええ悪くありません。
 しかし両者の関係があやふやだった際には許されていたことですが、「思春期」→「青春期」と確定してしまうと、「じゃあ結局「春」のMAXの時期っていつだよ。思って、青くて、……そんで次はなんだよ!?」といった疑問が出てきてしまいます。しかしながら実際のところ「青春期」の次に「春MAX期」はありません。また、そもそも「春」ってなんだよ、という疑問もあり、そうなると話は人生哲学にも発展しどんどん難しくややこしいものになってきてしまうので、ここではっきりさせておきます。
 「春」は「学生が夢に恋にがんばる時期」のことであり、「春MAX期」は「青春時代」のことです。
 要するにそこでMAXなのに「青」とか言って「まだまだ伸びしろありますよ」みたいな虚勢を張っていることこそが、この混乱の根源となっているのです。なのでこの名称を変える必要があります。
 ならばそのまま「思春期」と「春MAX期」でいいんじゃないかと言えば、たしかに意味的にいいはいいんですけど、威厳という点でどうも定着しなそうな香りがプンプンとします。「思春」が音読みであるのに対し「春MAX」が訓読みプラス英語であるのはやはり弱いです。
 そこで先生考えました。春の渦の中にあって「渦春期」(かしゅんき)はどうでしょう。あるいは春の真っただ中にあって「真春期」(ましゅんき)。春を謳って「謳春期」(おうしゅんき)、春を遊んで「遊春期」(ゆうしゅんき)、春が弾けて「弾春期」(だんしゅんき)……。あるいはいっそのことやはり「青春時代」のほうに合わせて、思春期のことを「水色時代」と呼べばいいんじゃないでしょうか。