2007.12.14

 ついでにファルマン姉妹に関する悲しい話として、次女が我が家に遊びに来た際のことなのだが、その前日に僕は(次女のためにアイスを買ってきてあげよう)と思い立って近所の商店に赴き、(次女はどんなアイスが好きだろうか、こんなんだろうか、うん、きっとこんなんは好きだろう)と考えて、パイナップルの輪切りのアイスを買ってきたのである。しかしそれは次女の嗜好にはまるで引っ掛かるところがなかったらしく、完全にスルーされたまま残され、その出来事からひと月以上経った今でも、袋で5つ入りのそれのひとつを僕が15度分ほど齧っただけしか減っていない。冷凍庫のスペースを無駄に占領していてすごい邪魔だ。しかも冷凍庫を開けるたびにそれが目に入り落ち込む。なんかこの二十歳すぎの女の子がどんなアイスが好きか必死に考えて買った結果のアイスがぜんぜんヒットしなかったというのが、帰省してきた孫のためにおばあちゃんが用意したおやつが甘納豆、みたいな哀しみを帯びているように思え、特にパインアイスというのがなんとも如実に「おっさんががんばってセレクションした、若い女の子の好きそうなもの(でもぜんぜん現実とはギャップがある)」的であると思う。普通にあずきアイスとか好きなのかもしれないのに、ぜんぜんそんなリアルな発想には至らず、「若い娘=パッションフルーツ」みたいな下衆なイメージからそういう結論に至っているのだ。