2005.2.7

 すなわち環境汚染である。
 それに伴って他のさまざまな生きもの──選定神による選定を切り抜けた──が淘汰される。ヒトは数々の生きものの種を絶滅させた。しかしそれは選定神教信者に言わせれば淘汰でもなんでもなく、殺戮である。選定神教によって試される立場であるあらゆる生きものにおいて、ヒトは権利もなく他の神の子を殺す悪魔である。とは言え悪魔がどれだけあがこうと、神のように世界を律することなどもちろん不可能だ。むしろ悪魔はその傍若無人で無計画な振る舞いによって、遠くない未来に自滅するだろう。しかし自滅する際、無自覚的な悪魔と一緒の扱いをされてはたまらない。ゆえに選定神教信者は強迫観念的に淘汰圧を感じながら生き、選ばれようとする。選ばれるためには選定神教に入らなければいけない。そういう意味では、選定神教には終末教の要素も入っていると言えるかもしれない。