そのため性向が共通だということでまとめられた世界で唯一の地域として、ミーガン村の価値は高い。ミーガン村は「性犯罪前科者を社会から隔離する施設」ではなく、「性犯罪前科者だけのユートピア」でさえあるのかもしれない。
そんなミーガン村には独特な宗教があり、村民はみな村のどこかに潜んでいると言われる「結衣」という名の12歳の少女を崇拝している。村にとって結衣は神であり、「結衣のためなら死ねる」という者がたくさんいるのである。しかしその一方で結衣の姿を実際に見た者はひとりもおらず、いつも「結衣が○○らしい」という噂でのみ、その意向が伝えられるという特徴がある。そしてその存在の曖昧さこそが結衣の魅力でもあるらしい。