しかし考えてみればたしかにそんな感じがしてきたりもする。口の中って汚そうだ。だけど今までそういうイメージを持たずに生きていたので、この記述はなかなかに衝撃的だった。
意識改革と言ってもいい。
フェラチオとは、男性の支配欲や快楽を充足させるための行為であり、それは「命令するもの」もしくは「依頼するもの」である。なぜならばフェラチオはよく言われるように「奉仕」だからである。性に目覚めていなかった少女は、男性器を咥えるという屈辱的な行為によって、自分はもはや性奴隷なのであり、後戻りはできなくなっているのだということを自覚していく──フェラチオとはそういうものだと思っていた。
しかし違った。不潔なものをなすりつけているのは、むしろ女性なのだ。男性がそれを受け入れている。
フェラチオは「咥えさせるもの」ではなくて、「咥えさせてあげるもの」なのだ。それは男性にとって、快楽に繋がりこそすれ(まあそこがいちばん重要なのだけど)支配欲の充足には決してならない。むしろこちらが不潔なものを塗りつけられるのを我慢している形だ。なんてこった。
こんな話を恋人にしたら、非常に嫌な顔をされたのですぐに謝った。