2004.10.14

「実は俺ね、趣味であしながおじさんみたいなことやってるんだよ」
 と、ときどき知り合いに向かって話す。
 相手がなんとも言えない顔をするのがちょっと好きだ。
 内容を訊ねられた場合、詳細を教えてあげる。
「里見夏子、瀬尾綾音、紺野雪子、茅野楓、夏目馨、夏目葵、このふたりは双子ね、それと名津川若葉っていう合計7人の女の子、中学1年生なんだけど、彼女たちに住む場所と学費をあげてるんだ。その代わりに少女たちから毎日、1日のことを綴った手紙をもらってるんだ」
 話し相手が素直に納得してくれることはない。ひとりくらいは「ほんと?」とか疑ってくれてもいいと思うのだけど、大学生という身分のためか、信用してくれる人はいない。まあそりゃそうかな、と思う。
 けれどこれを僕が、ほんとにそういうことをしていてもおかしくない年齢のおっさんになってもやっていたら、だんだん信じてくれる人が現われはじめるかもしれない。
「実は私、趣味であしながおじさんみたいなことをやってまして……」
「へええ。すごいですねえ。具体的にはどんな風に?」
「里見夏子、瀬尾綾音…………」