ファルマンから最近たびたび「性格が悪い」と言われる。これは結婚式準備という共同作業をしているせいに他ならない。共同作業なんかしていなければ、お互いにお互いの性格をちょっとどうかと思いつつも、そんな風に指摘したりしない。
僕は割と僕以外の手によるあらゆることが嫌いと言うか、自分最上主義であり、ウェルカムボードがすごい手間で、手首が痛かったり肩が痛かったりするのだけど、ファルマンに手伝ってもらうわけには絶対にいかず、猫1匹だって描いてもらっては困り、彼女だってあんな小っちゃい猫なんて死んでも描きたくもないだろうが、どちらにせよ共同作業なんて極力したくないと思っている。人が横から入ってくるのがすごく嫌いなのだ。そんな僕のスタンスが、もちろん既に自明ではあったのだけど特に今晩は顕在化してしまって、ファルマンから「あなたは性格に問題がありすぎて、なるほど友達がいるはずなくて、妻として嫌だと言うか、もうひどすぎて心配なくらいだよ」みたいなことを言われ、「俺だって友達いないことが不安で眠れない夜があるよ!」と応酬したのだけど、ダブルベッドで隣に眠るファルマンには「ないじゃん! 毎晩寝付きよくグーグー寝てるじゃん!」と喝破され、ああそう言えばぜんぜん不安がないわ、と思い、まあいっか、友達程度の話なんかどうだって、と思った。
期せずして「友達は必要?」みたいなテーマの討論となったので、「ここは真剣10代しゃべり場か」とツッコんだら、「陰険20代しゃべり場だよ」とファルマンに返されて、それはうまいと思った。そんな風に時々うまいことを言ったり、モノマネがやけにうまかったりするので、ファルマンがいればそれでいいなと思った。なんなら猫もちょっとぐらいなら描かせてあげてもいいくらいに。まあ彼女は「死んでも描きたくないよ」って言うだろうけど。