労働を終えてファルマンと合流し、実家に赴く。実は明日に日帰りで、母方の実家である山梨に、母の帰省の車に同乗し顔を出すことにしたので、その前日である今日は実家に泊まることになった。ファルマンが僕の実家に泊まるのは初めてのことである。
実家には姉夫婦が先に来ていた。義兄のお店は火曜日が定休日であり、ぜんぜん計ったわけではなかったが、そのために集合することができた。9月中旬が予定の姉の腹は、驚くほどに膨れていた。実際もう出てきても別に大丈夫な段階らしい。
母の料理を食べながら、ビールを飲み、オリンピックを見て、谷本選手がきれいに一本勝ちして、喜び、そんな感じで愉しく過ごした。なんだか殊のほか現在の我が家は平和であると思う。
ただし「結婚式に父をどうしよう」という話になったときだけはその幸福に陰が差した。出雲大社での式のあと、披露宴というわけではなく食事会みたいなものをやろうと思っているのだが、問題なのはその席で父の話し相手がひとりもいないということだ。義兄に「相手してやってよ」と頼むが、「絶対にやだよ!」と断られてしまう。あー厄介。
やがて食事がお開きとなり、母は姉夫婦を自宅まで送り届け、その間に僕とファルマンは皿を洗ったりそれぞれシャワーを浴びたりする。