2007.7.10

 職場にある謎の用具にハマっている。
 なんと言うか、形状がきわめて説明しにくく、「俺ばかりが正論を言っている」で絵で見せたほうが早い気もするのだが、文字表現から逃げてはいけないのでがんばる。
 それはプラスチックでできており、大まかな形としてはクリップ的な感じなのだが、横から見た感じはまさに「コ」の字形であり、クリップにしてクリップにあらず、端のほうは開放されているのである。この「コ」の閉じていない部分を手前に持ってきて視点を上に持ち上げてほしいのだが、そうするとそこには3センチ×3センチくらいの面があり、そこには円がくり抜かれているのである。それは円周が6,7ミリといったところで、その穴を利用しそこからちょっと頭が出る感じで、天井と底の間にパチンコ玉がひとつ挟まっているのだ。
 実際の用途がなんなのかはよく分からない。底の外側の面にマグネットが付いているので、冷蔵庫とかに貼って、パチンコ玉とプラスチックの間に紙とかを挟むのかな、などと思う。
 では僕がこれにどうハマっているのかと言えば、これの穴の部分を縁取るように指を這わせると、中のパチンコ玉が微妙な空間の遊びでもって浮遊し、くり抜かれたプラスチックの硬さと浮遊する球体のソフトさが相まって、ちょっと想像も付かないような淫猥な快感が指の腹に発生するのである。乳首的とも女性器的とも言えない、あるいはどちらでもない抽象的な、しかし真実的なエロスとしてのエクスタシーなのである。本当に。こんな簡単な機構でこれほどの気持ちよさが醸し出せるものかと神になった気持ちで感嘆するほどだ。
 なので労働中、暇さえあればこれに指を這わせている。女子高生を見ながらこれに指を這わせていれば、もうその子は抱いたことになるんじゃないかな、などと思う。
 最近では高度なテクとして、人差し指と中指で機体を支え親指で穴を縁取りながら、圧力により微かに側面の空間からはみ出るパチンコ玉を薬指の第一関節に沿わせくすぐる、という手法を開発し、僕の攻撃により反撃してきていると考えれば、これはもはや一方的な愛撫ではなくなってきていることだ。