2006.1.15

 「non-no」でSEX特集をしていた。「anan」でじゃない、「non-no」でだ。「もっと愛されるSEX講座」と銘打って、堂々とやっていた。
 当然ながら、大きくショックを受ける。表紙が深田恭子というのがそのショックを一段と強いものにする。しかも背景はピンクなのだ。生々しすぎるだろう。ホントこういうのが、そちら系の雑誌のいかにもエロエロしい写真なんかより、よっぽどエロい効果をもたらすと改めて実感する(そういう意味ではこれは僕にとって好物と言えるかもしれない)。
 ただしどうしても受け入れられない部分がある。こうして僕が「「non-no」でSEX特集で深田恭子でピンクってエロすぎ!」と反応する分にはまったくもって問題ないわけだが、しかし残念なことにこれはそういう穿ったエロ本では決してないのである。「non-no」なのである。「SEVENTEEN」を卒業し「MORE」に至る途上の少女たちが読む(あくまで僕の見識)、ごくごく一般的なファッション雑誌なのである。年齢で言えば17歳から21歳ぐらいの(あくまでも僕の見識)。そんな雑誌で堂々とSEX特集をしていいのか、ということだ。
 もちろん事実として、女子高生はわりとSEXをしているわけである。そのことを知らない僕ではない。そしてそれを止めることなど不可能だから、ならば正しい性知識を学ばせるのが大人としての使命、という考え方もできるだろう。知識なくSEXをさせるほうがよほど危険なわけだから。そしてたしかに特集では、「コンドームをつけなければいけない」とか「病気の恐怖」とかについても語られていた。
 だけどやっぱりそんなのは建前としか思えないのだ。だって特集の表題に書いてあるじゃないか。「もっと愛されるSEX」って。要するにこれはSEXテクニック指南ということになり、つまるところ内容はほとんど「anan」と変わらないということになる。って言うかそもそも二十歳前後の少女がSEXのテクニックを気にするなよって話だ。お前らは中年のオヤジか。コンドームだけ着けて衝動のままに獣のようにやってりゃいいじゃねえかと思う。
 もっとも読者の全員がSEXを経験済みなわけももちろんないから、文面では「初体験がまだでも気にすることはぜんぜんないよ!」みたいなことも語られていたのだが、これって非常に面の皮の厚い意見であると思った。だってお前「non-no」だろう、って話だ。「non-no」がSEX特集をしたということは、最近の少女マンガなどにも見られる、女の子メディア全般の「SEX大っぴら化運動」が今後ますます推進されることは間違いないのである。「non-no」はそれのかなり大きな堤防だったはずなのだ。それが決壊したのだ。このままでは3年後には「SEVENTEEN」、5年後には「nicola」で、SEXは堂々と話題にされるんじゃないかという気がする。
 ファッションを気にする子は愛しいが、エロに恥じらいがない子はひどく萎える。ファッション誌が軒並み開けっ広げにSEXを語り始めたら、一体どうすればいいんだろう。
 ……ああ、なるほど。こうしてわれわれは二次元へと旅立つのか。