ヒトは化学が進化すると、あんまり固いものとかを苦労して食べたりしなくなり、顎が退化すると言われているが、顎が退化すると相対的に脳の容量は増すのだ。しかし以前に書いたように、ヒトはだんだん頭を使わないで馬鹿になってきているのである。脳の容量は増える、脳の使用テクニックは低下する――これが続くと、ヒトはこれまで以上に余計なことに思いを馳せずにはいられなくなるのではないかと思う。そしてそれは下手に脳の容量(脳そのものの機能と言い換えてもよい)が大きいものだから、今のそれよりもよほどタチの悪い妄想であり、それは人々の脆弱な心をこれまで以上に強く苛めるのではないかと思う。そうしたら人々はこれまでよりももっと、アルコールや薬に頼るのだろうと思う。