なにしろショーツ、それは詰まるところ布なのである。
そうなのだ、布なのだ。布でしかないのだ。
そんなたかが布でしかないものに、僕らは幻想を抱きすぎなのではないか。布でしかないものに、過剰に意味を与えすぎなのではないだろうか。それはもはや意味を与えられた記号としてのレベルを超えて、偶像崇拝的であるとさえ言える。
男たちは少女のそれを目にすれば至福となり、少女たちは段差のある場面では殊更にそれを隠す──しかしそれって一体どうだろうかと思う。僕らの生活は、布でしかないものに振り回されすぎているのではないか。
実際のところ布なんて、冷静に考えてみれば見てもぜんぜん愉しくない。それよりもその下にすらりと伸びる脚のほうが、はるかに価値が高いだろう。女子中学生の脚は、無生物の布と異なり代謝をしていて、だからそれは14歳の脚以外の何物でもないのである。それゆえに価値が高い。下着屋に行けば数多も掲げられている布などとは比べものにならない。